人はマーケティング、とりわけ製品開発を任されたとき、知っている知識や職場にある知識を全部動員して問題を解こうとする。素直になるし、謙虚になる。教えてくれる人がいれば教えを請うし、マニュアルがあれば必ず利用しようとする。

各社にはそれなりのマーケティングのルールやノルムはある。セミナーもあるにはある。問題は、実際に使えるかどうか、実際に役立つかどうかである。

実戦で使えるものがよい。孤独な立場に立つ人を具体的に励まし、手助けする、手引書になっているとよい。

マーケティングの体系とノルムに、ODの体系とノルムを重ね合わせた、現場で即使えるマニュアルがあると、人は熱心に自学自習する。そして、局面打開の糸口を探ろうとする。そして、答を見つける。

しかし、多くのマーケティングの現場には、マーケティングについての地図があるようでない。プロダクト・マーケティング全体の情報(インテリジェンス)を整理した文献は、あるようで実際にはない。しかも、マーケティングを推進していく上で必要不可欠である、マネジメントの問題、組織開発の問題まで網羅したマニュアルは、一般には手に入らない。それは、一部のマーケティングカンパニーだけに存在する。そして、一部のマーケティングカンパニーにはその教育専門の担当者がいて、24時間、世界のどこにいてもサポートしてくれる。

このギャップを解決するために、(株)ナガイマーケティング研究所は『プロダクトマネジャー・マニュアル』と『プロダクトマネジャー養成講座』を開発した。当講座を一生懸命、運営したい。

(2010年5月度MODコラム「第19回プロダクトマネジャー養成講座開講にあたって」長井和久)より