マーケティング会議の開始にあたっては、議長のマーケティングマネジャーは、参加メンバー(ブランドマネジャー、アシスタントブランドマネジャー、ブランドアシスタントおよび広告、販促、調査セクションのマネジャー)に対して、今、該当ブランドの改良開発や新開発はどの位置(どのフェーズ)にあるか、今の課題は何かをはじめに明確に示すことから発言を始めるべきである。
各ブランドの立つ位置が不明確では、何を話し合い、何について知恵を出せばよいのか相互にわからなくなり、率直に言うと、そのような会議は言い訳か雑談会になるか、誰かの独演会になってしまうだろう。
「製品開発システム」は6つのフェーズから成り立っている。
フェーズ1.仮説発見のフィールドワーク、仮説の評価と仮説の組み合わせ
フェーズ2.消費者ニーズの明確化と「ラフ・商品企画書」の作成
フェーズ3.速攻試作(コンセプトテスト、モニターテストの読みとその評価)
フェーズ4.開発計画書の完成度のチェックとファイナルユーステストの評価
フェーズ5.マーケティング・プラン書の作成と評価
フェーズ6.一斉発売のスケジュール化、追跡調査の手配
それぞれのフェーズには、それぞれのマーケティング・メモの準備が要る。これは上司が事前に必ず目を通す。各課題をマーケティング・メモで明確に共有してこそ、会議による知恵出しと、GoかBackかStopかの決断が可能になる。
これをきちんとやればマーケティング会議は必ず有効な会議になる。活性化する。もちろん参加者は各フェーズに意味や各フェーズの評価について、マーケティングの基礎と応用の知識を持っていなければならない。
議長のマーケティングマネジャーは、参加メンバーが進んで知恵を出してくれる雰囲気づくりと動機付けをしなければならない。時に基本を復習することもある。
マーケティングカンパニーのマーケティング会議は、その会社のブランド価値創造の生命線になる。その覚悟で議長は仕切るべきだし、メンバーも主体的に参加する必要がある。
これらの基本認識がないと、マーケティング会議はバカ会議になる。これ以上のムダはないし、マーケティング会議がこけたら、会社がこける。
(2013年4月度MODコラム「マーケティング会議」長井和久)より