製品の成熟化、少子高齢化、不況による消費の手控えなど、売上があがらない理由が次々に重なってくる。

そこで「SP(販促)で何とかしろ」という要請が出るのだが、SPは本来、ストアカバー度やフェイシングを高め、パッケージが持っているメッセージ効果を最大に引き出すためのテクニックであり、このことに徹するべきである。当月の売上不足を臨時に埋め合わせるための魔法の手ではない。生き延びるために、販売量を獲得する価格政策は一部あるが、不規則な条件付き販売を繰り返していると、営業マンのモラールも、モラルも落ちてくる。悪しき営業体質になる。

SP本来のテクニックをどう発揮するか、職場をあげて考えるワークショップから始めるべきである。我々の手で、我々の知恵で、苦境を打開する売場づくりを考える。この機会にSPの原点へ立ち返る。マーケティングの原理原則を活用する。

地味で、正当な職場小集団活動こそが、実際には一番効果があがる。小集団活動が一人一人の主体性を喚起する。エリアマーケティングにおいてこれを開始する。営業の正当な職場開発の始まりになる。やがて、経営の連立方程式が解けてくる。

(2009年5月度MODコラム「売上減の中のSP」長井和久)