企業は、製品やサービスを生み出し、それを顧客に提供し、その対価としてお金をいただく。付加価値の高い製品やサービスを継続的に生産し、効率よく顧客に届ける企業に利益がもたらされる。
その製品やサービスを創り出すのは人材である。マネジメント能力の差によって、生産性に差が出ることは間違いない。混乱したり、モタモタしている組織は、納期も品質も原価も守れない。このような企業は、まず企業たる資格がない。
しかし、付加価値の高い製品やサービスを実際に考え出し、形にするのはマーケと開発と生産技術である。中でもマーケティング部の責任が大きい。部員が出してくるコンセプトが陳腐なものでは、開発や生産技術が少々頑張っても、結局、低レベルの商品しか出てこない。
本当は、コンセプトの前の仮説づくりの段階で勝負がついている。「売れる/売れない分析」「ストアチェック」「現物・現場・現実分析のフィールドワーク」をするときの情報感度の差は、そのまま企業力の差になるといってよい。
その仮説づくりの核となる人物は1人か2人である。この1人か2人の人材(マーケター)を育てられるかどうかが企業の盛衰を分ける。
(2011年10月度MODコラム「1人か2人のマーケターが会社を変える」長井和久)より
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