TODOリストは一般に、その日の朝、仕事にかかる前にリストアップされるべきと理解されている。それは、朝が一番頭が働くし、仕事にかかる前は「さぁ、やるぞ」の気持ちがあるので、一気にTODOをリストアップするには都合がよいからである。
毎日のことなので朝一番のリストアップを習慣にできれば、それが一番よい。
しかし、この「毎朝」が、実はしんどい。頭の調子がイマイチの朝もある。1日か2日TODOリストを休んで、3日目の朝、書けるかというと、これはもっとしんどい。
TODOリストを毎日続けるコツの最も重要な部分は、このしんどい日の朝をどう切り抜けるか、にあると言っても過言ではない。
しんどいときは、コミュニケーションのTODOを1個か2個作ればよい。誰かに何かを伝える、相談するなどのTODOは、我々の日常にはいっぱいある筈だ。家族に対してでもよい。すぐ隣りに座っている人にでもよい。メールでやり取りしている友人に対してでもよい。何かちょっと言いたいことを、コミュニケーションのTODOとして書き続ければ、それでよいのだ。
1個出るとそれが呼び水になる。もう1個出る。それが3個、4個になる。それくらいでその日はよい。よしとする。不調の日はこれで終わりにする。継続することに意義があると思う。自分を許してやる。
また、調子のよいときに先取りしたTODOを、予めその日の欄に書き込んでおくなら、その1個のTODOがきっかけとなって、関連するTODOが芋ヅル式に出てくる。このようにすれば辛い朝もラクになる。
先取りのTODOは、会議など人の話を聞いているときに自分の場合はどうすればよいのか、とちょっと前向きに考えてみるだけで出てくる。退屈な話だなぁと思うときは、自分の明日のTODO、明後日のTODO、来週のTODOを考える時間にする。発表者の言葉、資料の中に、TODOの卵はいっぱい隠れている。このようなときにTODOの貯金をしておくと、後が本当にラクになる。試してみてほしい。
(2010年6月度MODコラム「TODOを続けるコツ」長井和久)より